カブトムシの成長を見守るのは、とてもワクワクする体験ですよね。幼虫が立派に育ち、ついに蛹(さなぎ)に!でも、「あれ?動かない…」「なんだか黒っぽくなってる?」と気づいた瞬間、
・「もしかして、もう死んでる…?」
なんて思ったことありませんか(^^;
実は、カブトムシの蛹は生きていてもほとんど動かないものなんです。でも、中には 本当に死んでしまっている場合 もあり、見た目だけで判断するのは意外と難しいんですよね。だからこそ、しっかりした知識を持って見極めることが大切。
この記事では、絶対気になるであろう
- 蛹が生きているか確認する方法
- 蛹が黒くなる理由とその対処法
- 死んでしまった場合の正しい処理方法
などを、紹介していきますね。
まずは、蛹の基本情報をお伝えしえおきます。
カブトムシの蛹の基本
項目 | 内容 |
---|---|
蛹の期間 | 幼虫から蛹になり、成虫から羽化するまで約2~3週間 |
見た目の変化 | 乳白色→黄色→茶色へと変化 |
役割 | 成虫になるための準備期間で、体の内部構造が変化する |
動き | 基本的にジッとしているが、刺激を与えるとゆっくり動くことがある |
環境の影響 | 温度や湿度の影響を受けやすく、不適切な環境だと発育不良や死亡のリスクがある |
カブトムシの蛹は、幼虫から成虫になるための大切な準備期間。蛹の時期はだいたい2〜3週間で、その間に体の内部が大きく変化していきます。最初は乳白色ですが、時間が経つにつれて黄色っぽくなり、最後は茶色へと変わるのが一般的な流れです。以下のお借りした画像が理想の色ですね。
半透明の飴色がとっても美味しそうだけれどクソマズ…いや、美味しい食べ方がまだ見つかっていないカブトムシ蛹 Pupae of Trypoxylus dichotoma septentrionalis。黒バック撮影練習。逆光にて撮影。 pic.twitter.com/8Fn1J726qi
— 蟲喰ロトワ (むしくろとわ)同人誌「続け!おいしい昆虫記」昆虫大学(12月21日22日)で販売 (@Mushi_Kurotowa) April 22, 2015
で、普段はじっとして動かないことが多いですが、軽く触れるとわずかに動くこともあります。ただし、環境の影響を受けやすく、温度や湿度が適切でないと発育不良や死亡のリスクも。特に、蛹の時期はデリケートなので、できるだけ そっと見守ることが大切です。
では、そんな蛹が死んでしまったかどうかの見分け方についてお伝えしますね。
カブトムシ蛹の生死確認方法
それは、
- そっと触れてみる
- 色の変化を確認する
- ニオイをチェック
の3点で確認ができます。
1:そっと触れてみる
蛹の生死を確認する方法はいくつかあります。まず、一番簡単な方法は そっと触れてみること。健康な蛹なら、軽く触れるとわずかに動くことがありますが、まったく反応しない場合は注意が必要。ただ、以下の理由で動かないこともあるのは事実です。
- 通常の状態:羽化前はほぼ動かず、じっとしていることが多い
- 休眠状態:外からの刺激がないと動かないことも
- 環境ストレス:外部からの衝撃でダメージを受けて動かなくなるケースも
だから、急いで判断せず、じっくり様子を見守ることも大切です。

ちなみに、蛹が動く理由は他の幼虫から身を守ることだと分かっていますよ。
蛹室の壁はもろく、わずかな衝撃でも簡単に崩れてしまいます。野外において地中の蛹室と幼虫の分布を調べたところ、両者は平均約6cmという近距離にみられました。このような状況下では、蛹室は周りの幼虫に壊されてしまうおそれがあります。そこで、蛹は幼虫に対し何らかの防御策をとっている可能性があります。
2:色の変化を確認する
そっとさわって全く動かない場合は、色の変化を確認するのもポイントです。正常な蛹なら、白から黄色、茶色へと変化しますが、黒ずんでいる場合は異常が起きている可能性が高いです。
「注意」
- 外側から黒っぽく変化→羽化が近づいてる
- 内側から黒っぽく変化→死んでしまってる率が高い
3:ニオイをチェック
上記のように内側から黒ずんでいる場合はニオイをチェックすることが大切です。通常の蛹はほとんど無臭ですが、腐敗したようなニオイがする場合は、すでに死んでしまっているサインかもしれません。
ちなみに、以下のお借りした黒っぽい蛹でも異臭がしなければほとんど大丈夫ですよ^^
その後のカブトムシの蛹。
— かずびー (@kazuyukis6) June 20, 2022
少し黒なった。
中で確実に体ができてきているのを感じる。 pic.twitter.com/3LC3cqVKWz
カブトムシの蛹が死ぬ原因
カブトムシの蛹が死んでしまう原因はいくつかあります。
- 湿度や温度の管理ミス
- 外部からの衝撃
- 病気や寄生虫
- 幼虫期の栄養不足
- 羽化失敗
湿度や温度の管理ミス
カブトムシの蛹が元気に育つには、湿度管理がめちゃくちゃ大事!湿度が高すぎるとカビが生えてしまい、蛹の体に付着すると傷んでしまうことも…。逆に、乾燥しすぎると殻がカチカチになって、うまく羽化できなくなることがあります。理想の湿度はだいたい60〜70%くらい。ケースの中がジメジメしていたら通気を良くし、逆に乾燥していたら霧吹きで少し湿らせるのがポイント!環境を整えて、蛹が安心して成長できるように見守りましょう。
外部からの衝撃
カブトムシの蛹はめちゃくちゃデリケート。ちょっとした振動や衝撃でもダメージを受けやすいんです。飼育ケースを頻繁に動かしたり、強く揺らしたりすると、大事な蛹室(蛹が安心して過ごせる空間)が崩れてしまうことも…。そうなると、蛹がうまく成長できず、最悪の場合そのまま弱ってしまうこともあるので要注意。できるだけ静かで安定した環境を作って、そっと見守るのが大切ですよ。
病気や寄生虫
蛹にとってダニやカビは大敵。放っておくと病気や寄生虫に侵されどんどん弱っていきます。そして、最悪そのまま命を落とすことも…。特に湿気が多い環境だとカビが発生しやすく、蛹の体にくっついてしまうこともあるんです。これを防ぐためにも、飼育ケースの湿度管理はしっかりして、カビが生えていないかこまめにチェックするのが大切ですよ。

温度帯は後からもお伝えしますが、約20~25℃くらいが目安です。
幼虫期の栄養不足
幼虫の時にしっかり栄養を摂れていないと、蛹になってからも体力が足りず、そのまま羽化できずに力尽きてしまうことがあります。大きくて元気な成虫に育てるためには、幼虫のうちから栄養たっぷりのマットを用意してあげることが大事!食べる量や成長の様子をチェックしながら、しっかりサポートしてあげましょう↓
羽化失敗
成虫になるときにうまく殻を破れず、そのまま力尽きてしまうことがあります。羽化不全の原因は、湿度や温度といった環境の影響だけでなく、個体ごとの体力差も関係しています。せっかくここまで成長したのに、最後のステップでつまずかないように、蛹の状態をこまめにチェックしながら、最適な環境を整えてあげることが大切です。
蛹を無事に成虫にさせるには?
上記の死ぬ原因から分かる蛹を無事に成虫にさせるためには、
- 湿度と温度の管理
- 衝撃を与えない
- 蛹室を壊さない
- カビや害虫の対策をする
- 羽化のタイミングを見守る
をしっかりおこなうことです。
1:湿度と温度の管理
蛹の乾燥を防ぎつつ、カビの発生も抑えるために、湿度は60〜70%、温度は20〜25℃をキープするのが理想的です。
2:衝撃を与えない
蛹は振動や衝撃に弱いため、飼育ケースの移動は最小限にし、そっと見守ることを意識しましょう。
3:蛹室を壊さない
蛹が作った蛹室を壊してしまうと羽化不全のリスクが高まります。もし壊れた場合は、湿らせたティッシュなどで代用すると良いでしょう。
4:カビや害虫の対策をす
高湿度が続くとカビやダニが発生しやすくなります。見つけたらそっと取り除き、必要に応じて新しいマットに交換するのがポイントです。
5:羽化のタイミングを見守る
羽化が近づくと蛹の色が濃くなり、動きが鈍くなります。焦って触ったり手助けしようとすると逆効果なので、自然に羽化するのをじっくり待ちましょう。
カブトムシの蛹は何日で成虫になるの?
カブトムシの蛹が成虫になるまでの期間は、冒頭でチラッとお伝えしましたが約2〜4週間です。ただし、具体的な日数は温度や湿度などの飼育環境や個体差によって変動します。
以下は、蛹から成虫になるまでの一般的なプロセスとその期間の目安です。
- 蛹化(幼虫から蛹になる)
- 幼虫が成長し、蛹になる準備が整うと、土の中で蛹室(蛹が過ごすための空間)を作ります。これには数日から1週間程度かかることがあります。
- 蛹の期間
- 蛹の状態で過ごす期間は、通常2〜4週間です。蛹の期間中は成虫への変態が進みます。
- 羽化(蛹から成虫になる)
- 蛹から成虫へと変態が完了すると、成虫が蛹室を破って出てきます。このプロセスは数時間から1日程度で完了します。

成虫が蛹室から出てくる際には、まだ体が柔らかく、羽も完全に広がっていない状態。完全に体が硬化し、羽が広がるまでにはさらに数日かかるのが一般的ですよ。
カブトムシの蛹についてよくある質問を紹介
今回私が蛹に付いて調査する過程で気になったQ&A。こちらを紹介しておきますね。
Q. 蛹を手で触っても大丈夫?
A. 基本的には触らない方が良いですが、どうしても確認したい場合は優しく触れる程度ならOK!
Q. 蛹が羽化しないまま長期間経過…大丈夫?
A. 2〜3週間経っても変化がない場合は、羽化失敗の可能性あり。
Q. 蛹の周りに白いカビが…?
A. 高湿度が原因。湿度を調整し、必要なら新しい土に交換しましょう。
Q. 羽化途中で止まってしまったら?
A. 羽化不全の可能性が高く、助けるのは難しいことが多いです。
Q. 蛹の場所を移動させてもいい?
A. 基本的には触らないのがベストですが、どうしても必要なら慎重に行いましょう。
Q. 蛹室が壊れた場合の対処法は?
A. 湿らせたティッシュなどで代わりの蛹室を作ると良いでしょう。
Q. 羽化直後のカブトムシはいつ動き出す?
A. 体が固まるまで数時間〜1日かかることがあります。

とくに、「蛹を手で触っても大丈夫?」的な質問を多く見かけました。回答にもありますが、基本触らない方がいいことは覚えておきましょうね^^
まとめ
カブトムシの蛹はとてもデリケートで、ちょっとした環境の変化や管理ミスが成長に大きく影響します。湿度や温度のバランス、衝撃を与えないこと、清潔な環境を維持することなど、基本的なポイントをしっかり押さえておけば、無事に成虫へと羽化できる可能性が高まります。
もし蛹の様子に異変を感じたら、色や動き、ニオイなどを確認し、必要に応じて対処しましょう。失敗してしまうこともありますが、それも含めてカブトムシの成長を見守る楽しさのひとつ。適切な環境を整えながら、大切に育てていきましょう。