カマキリって、犬や猫みたいに「飼い主が好き〜!」って感じでなつくのか気になりますよね。
でも実は、カマキリにはそういう“愛着”の感情はないって言われています。
それでも、手に乗ってきたり、じーっと見てきたり、なんだかこっちに反応してる気がする…そんな姿を見ると、「えっ、なついてる?」って思っちゃうこと、ありませんか?
ということで今回は、そんな“なついたかも?”と思えるカマキリの行動について、科学の視点と、実際に飼ってる人のリアルな声を合わせて、やさしく解き明かしていきますね^^
科学的視点で「カマキリがなつくか」を検証
結論から言うと、・
・基本的にカマキリは「なつく」ことはありません
これは科学的にもほぼ一致した見解です。
なぜなら、「なつく」という行動には、“相手を記憶する・好意を持つ・自発的に接近する”といった高次な認知能力が必要ですが、昆虫の脳は哺乳類や鳥類に比べて非常にシンプルな構造だからです。
カマキリのような昆虫には、脳の代わりに「脳神経節」という小さな神経のかたまりがあります。これによって反射的な行動や簡単なパターン記憶は可能ですが、「感情」や「愛着」といった人間的な心の動きは科学的には確認されていません。
とはいえ、人になついたように見える行動は確かにあるのも事実。では、これはどう解釈すればよいのでしょうか?
科学的に見て「なつく」と解釈される状況とは?
「なついたように見える行動」は、科学的には以下のような現象として説明されることが多いです。
- 慣れ
- 条件反射
- 生存戦略
慣れ(ハビチュエーション)
人間の手や環境に何度も接することで、「この存在は危険じゃない」と学習し、逃げたり威嚇しなくなる行動。これは“警戒心が薄れた”だけであり、懐いたわけではありません。
なついたカマキリさん( ^ω^ ) pic.twitter.com/9FDwIRuy9I
— ペインティング ちひろ (@dW8L0Ios3ieFOCX) October 10, 2021
条件反射
たとえば、手を差し出すと餌がもらえることを覚えて「手に乗るようになる」といったケース。これは犬のしつけと似ていますが、カマキリの場合はごく単純な反応です。
友達がカマキリとお友達になりました。
— 臼見光弘 (@2001himawariboy) August 31, 2013
水や餌をあげると、腰をフリフリするらしい。
人間になつく虫もいるんだね〜 pic.twitter.com/mh7iyY3iZv
生存戦略としての静止や“死んだふり”
人の手の上で動かなくなるのは、リラックスしているわけではなく、「下手に動くと捕食される」と判断している可能性も。
死んだふりカマキリ。小柄でシャカシャカ動いてかわいい。 pic.twitter.com/TXc2GViLMl
— さち (@g0w0g) September 18, 2020
ちなみに、こちらのサインが出た時は死んだふりではないですよ↓
■ 行動とその科学的説明
行動・現象 | 科学的な名称・仕組み | 解説 |
---|---|---|
人の手の上でじっとする | 擬態・死んだふり | 敵の注意をそらすための「防御本能」。動かないのは“安心”ではなく“様子見”のことも。 |
威嚇しなくなる | 慣れ(ハビチュエーション) | 繰り返し接することで「この存在は危険じゃない」と学習し、警戒心が薄れていく。 |
手に乗る・近づいてくる | 条件反射 | 「手を差し出す=エサがもらえる」と学習し、反応するようになった可能性。 |
呼びかけに反応して振り向く | 振動・気配への反応 | 声そのものではなく、音の振動や人の動きに反応していることがほとんど。 |
まとめると…
これらの行動は「なついた」わけではなく、カマキリの生き残り術や学習の結果です。だから、じっとしていてもそれは警戒心が薄れただけかもしれませんし、手の上で静止しているのは身を守るための“死んだふり”かもしれません。カマキリの本当の気持ちを知るには、こうした行動の背景を理解することが大切ですよ。
飼い主体験談:なぜ「なついた?」と感じたのか?
「カマキリって人になつかないって聞くけど、うちの子はなついてるような…?」実はSNSやブログを見ていると、そんな声もちらほらあります。今回は、実際にカマキリを飼った方々の声を元に、「なついた?」と感じた理由をのぞいてみましょう。
◯◯さん(30代・女性)の体験:手に乗ってきてビックリ!
「最初は飼育ケース越しに観察するだけだったんですが、掃除のときに手を近づけたら、するっと乗ってきたんです。
しかもそのあとも、逃げずにじーっとしてて…なんだか懐いてるような気がして、うれしくなっちゃいました。」
➡ 手に乗ると、「なついた?」と感じやすい瞬間のひとつ。
ただ、実際には「止まりやすい場所を選んだだけ」という可能性もありますが、飼い主としては愛着がわく場面ですね。
△△さん(40代・男性)の体験:「指を目で追ってる…?」
「エサをピンセットであげてたら、ある日、指をスッと目で追ってるような仕草をしたんですよ。
えっ、これ認識してる?もしかして、俺のこと分かってる?って感動しちゃいました。」
➡ カマキリは動体視力がとても優れている昆虫。
指の動き=エサと関連づけて認識している場合もありますが、それでも「覚えてくれてる感」があるとグッときますよね。
☆☆さん(20代・女性)の体験:名前呼んだら反応?
「毎日『カマちゃん!』って声かけしてたんです。ある日、たまたま名前呼んだタイミングでこちらを向いたことがあって…。
偶然かもしれないけど、なんだか通じたみたいでめっちゃ嬉しかったです!」
➡ カマキリは聴覚を持っていないため、名前の音自体は認識できませんが、振動や気配を感じ取る能力があります。
行動がたまたま重なっただけ…かもしれませんが、こういう“偶然の奇跡”が「なついたかも!」と感じさせてくれるんですね。
◯◯さん(30代・女性)の体験:指先を目で追ってくる…?
「最初はただの観察対象だったんですが、最近は指を動かすとカマキリの頭もスッと動いて、まるで目で追ってきてるみたいなんです。
じっとこちらを見つめてくる仕草に『もしかして私のこと、わかってる…?』なんて思っちゃって。」
➡ カマキリには複眼と単眼があり、動くものを捉える能力に優れています。
特に近距離での“指の動き”などには素早く反応するため、「目で追ってるように見える」のは自然な行動。
ただし、それを“懐いてる”と感じたくなるのが、飼育者ならではの感覚です。
△△さん(40代・男性)の体験:「手の上で落ち着くようになった」
「最初の頃はすぐ逃げちゃってたのに、最近は手の上でじーっとしてるんです。
まるで『ここ安全だな〜』って思ってくれてるようで、ちょっと誇らしい気持ちになりました。」
➡ カマキリは繰り返し同じ環境や人に接していくと、“慣れ”によって警戒心が薄れます(ハビチュエーション)。
手の上で静止しているのは「ここは危険じゃない」と学習したサイン。
懐いているというより、「動かず静止=安全」な選択をしているといえるでしょう。
■ 20代・男性:「エサやりのときだけテンションが違う(笑)」
「普段は無反応なのに、ピンセット持っただけでこっちに向かってくるんですよ。
この瞬間だけ、すごくテンション上がってる感じで、ちょっと可愛いです。」
➡ これは典型的な条件反射による行動です。
「ピンセット=エサが出てくるアイテム」と学習しているため、すばやく反応するのですね。
これは人間とエサの関連付けを覚えている証拠であり、知能の高さも垣間見える瞬間です。
■ 小学生のお母さん(30代):子どもがなでても怒らないカマキリ!?
「うちの子がカマキリをかわいがって、よく指で頭をなでようとするんです。最初は『やめてー!』って言ってたんですけど、ある日カマキリが全然怒らなくて…。
まるで『もう慣れたよ』って顔してました(笑)」
➡ カマキリは本来、刺激に対して敏感に反応する生き物です。
なでられても威嚇しない場合、それは単に刺激に慣れて反応をやめた状態。
怒らない=懐いたと感じたくなる気持ちは自然ですが、これは“攻撃しなくても問題ない”と学習しただけの反応かもしれません。
Q&A:気になる「カマキリはなつくの?」10のギモン
Q1. カマキリって、人の顔を覚えるの?
A. 残念ながら、カマキリに人間の顔を“覚える力”はないと言われています。いわゆる「顔認識機能」は持っていないんです。でも、毎日見かけるものには「これは安全だな」と学習する能力はあるんですよ。つまり、“顔”として覚えているわけじゃなくて、いつもいる存在=安心できるという認識かもしれません。
Q2. 手に乗ってくるのは「なついた」証拠?
A. これは「完全に懐いた」というより、「警戒しなくなったよ〜」というサイン。最初は手に近づくとパンチされたり逃げたりする子もいますが、徐々に慣れてくると手にひょいっと乗ってくるようになります。それだけで十分うれしいですよね。“なつく”というより“心の距離が縮まった”感じです。
Q3. 餌をあげると寄ってくるけど、それって覚えてるの?
A. はい、それは「条件反射」に近いものです。人が近づく=ごはんタイム!と覚えてくれている可能性があります。といっても、感情的に「うれしい〜♪」と寄ってくるわけじゃないので、あくまで“習慣的な行動”として受け止めてあげてくださいね。
Q4. 他の人には反応しないのはどうして?
A. よくあるケースです。特定の人にだけ慣れているのは、その人の動き方や声のトーン、接し方に安心感を持っているからかもしれません。昆虫とはいえ、相手の“気配”に敏感なところはあります。人によって対応が変わるなんて、ちょっと意外で可愛いですよね。
Q5. 最近、威嚇しなくなったのは仲良くなれたってこと?
A. それは良い兆しです!カマキリは本来とても警戒心の強い生き物。そんな子が威嚇しなくなったということは、「この人は敵じゃないな」と理解した証拠です。つまり、信頼関係がちょっとずつ築けてきたのかもしれませんね。
Q6. 声をかけると反応してる気がするんだけど?
A. ちょっと感動しちゃいますよね。でも、実際は声そのものではなく、音の振動や体の動きに反応していることが多いです。とはいえ、「呼んだら動いた!」という嬉しい経験は、きっとカマキリとの距離が近くなった証ですね。
Q7. 夜になるとじーっとしてるけど…眠ってるの?
A. はい、昆虫にも「休息時間」があります。夜になると活動が少なくなって、じっとしているのは自然なこと。人間でいう“うとうとモード”みたいなものです。あまり構いすぎず、そっとしておいてあげましょう。
Q8. 手に登ってくるのは甘えてるの?
A. カマキリが高いところへ登ろうとするのは本能的な行動。天敵を避けたり、周囲を見渡すために高い場所が好きなんです。手がたまたま登りやすい位置にあっただけかもしれませんが、「この手は安全」と思ってくれているのなら、それは十分うれしいことですよね。
Q9. ケージ越しにじーっと見られてる気がする…あれって何?
A. これは「視線を感じる…!」ってやつですね(笑)。でも実は、動くものに本能的に反応しているだけなんです。目が合ってるように見えるのは偶然。でも、そう思えるほどじっと見つめてくれるなんて、ちょっとドキドキしちゃいますよね。
Q10. エサをもらえないとき、なんだか怒ってるように見えるのは?
A. それ、あるあるです!エサがないとイライラするのか、威嚇ポーズを取ることも。でも、それは空腹やストレスのサイン。少し休ませて、落ち着いたタイミングでエサをあげてみましょう。焦らず、相手の気分を見ながら接するのがコツです。
まとめ:カマキリと“心が通じた?”と思える瞬間は特別
科学的には「なつく」とは言えないカマキリ。でも、毎日お世話をする中で、確かに“心が通じた”と感じる瞬間があります。
- 慣れて逃げなくなった
- 手に登ってくるようになった
- 餌を安心して食べるようになった
そんな変化を見守ることができるのは、飼い主ならではの喜びです。
とくに子どもと一緒に育てている家庭では、命の大切さや、生き物との関わり方を学ぶ貴重な体験にもなります。
カマキリは、なつくわけではないけれど、「近づける存在」にはなれる。 そんな距離感を大切に、ぜひじっくり観察してみてくださいね。