カブトムシが蛹から羽化。でも、
・「カブトムシの羽がうまく開かない…」や「羽がシワシワで固まってる!」
なんて状況に直面すると超驚きますよね(^^;
実は、このような現象を羽化不全と言います。羽化不全とは、カブトムシが成虫になる過程で羽が正常に展開されなかったり、体に異常が出たりする状態のことです。軽度なら問題なく生活できますが、重度だと飛ぶことができず、可哀想な一生を迎えます。
だから、元気なカブトムシを誕生させるには、あらかじめ羽化不全の原因などを知っておくのが重要です。
ということで今回は、その情報をシェアしていきますね。
羽化不全の主な原因
以下のお借りした画像のカブトムシの羽化不全。こちらを起こす理由はいくつかあります。
羽化不全のカブトムシいた pic.twitter.com/JzVVqL55mK
— 臼井 (@u_zzz07) July 31, 2020
よく見られる原因としては、
- 蛹室の問題
- 湿度や温度が適切でない
- 栄養不足や体力不足
の三点です。
ではそれぞれの詳細を説明していきますね。
1:蛹室の問題
カブトムシの幼虫は、土の中に蛹室という特別な部屋を作り、その中でサナギへと変化していきます。この蛹室がしっかりと作られていないと、羽化のときに十分なスペースが確保できず、うまく体を伸ばせなくなってしまいます。その結果、羽が曲がったりシワシワになったりして、正常に成虫になれないことも…。せっかく頑張ってここまで成長したのに、最後の仕上げで失敗してしまうのはかわいそうですよね。だからこそ、蛹室がしっかり機能する環境を整えてあげることがとても大切なんです!
【蛹室の問題が起こる原因】
- マット(土)の硬さが不適切で崩れてしまう
- 人が触ってしまい、蛹室が壊れる
- 複数の幼虫が密集していて、蛹室が圧迫される
2:湿度や温度が適切でない
カブトムシが無事に羽化するためには、湿度と温度の管理が超重要。 湿度が足りないと羽がパリパリに乾いてうまく広がらず、逆にジメジメしすぎるとカビが発生してしまうことも…。さらに、温度が極端に低すぎたり高すぎたりすると、羽化のプロセス自体に悪影響を与えてしまいます。
3:栄養不足や体力不足
幼虫時代にしっかり栄養を取れていないと、羽化のときにパワー不足。 その結果、羽をうまく広げられずに羽化不全になってしまうことがあります。

以上3点。どれも羽化不全の原因になることはほぼ間違いないでしょう。ただ、私的には蛹室の問題が、羽化不全に一番繋がると感じています。では、原因となる3点の対策。こちらを詳しく紹介していきます。
羽化不全の確率はどれくらい?
こればかりは確実な数字がわかりません。ただ、私の飼育経験上だけで言うと、羽化不全の確率は5〜20%程度って感じです。しかし、自然界でのカブトムシは、適した環境を見つけられなかったり、天候の影響を受けたりすることで、羽化不全になるリスクがもっと高まるそうです。
そのかわり、飼育下おいてはでは湿度・温度管理、蛹室の状態、幼虫期の栄養などの適切な対策をすれば、羽化不全の確率を5%以下に抑えることも可能と言われています。 では次に、その対策についてお伝えしていきますね。
羽化不全を防ぐための対策
卵から幼虫。そして蛹になって成虫。どうせなら元気いっぱいで成虫と対面したいですよね。そのためにも、事前にしっかりと対策をすることで、羽化不全発生リスクを減らすことができます。
1:蛹室を適切に管理する
幼虫が自分でしっかりした蛹室を作れるようにするには、適度に湿った発酵マットが必須。 でも、もし蛹室が壊れてしまったら、そのままだと羽化不全のリスクが高まってしまいます。そんなときはティッシュやスポンジを使って人工蛹室を作り、やさしく保護してあげるのがベスト。幼虫が安心して羽化できる環境を整えてあげましょう。
<ポイント>
- 適度に湿った発酵マットを使う
- 蛹室が壊れてしまった場合は人工蛹室で保護する
人工蛹室は、クワガタやカブトムシなどの昆虫が安全に蛹化・羽化できる環境を作るためのアイテムです。
— S net(エスネット) (@Snetshop2015) February 27, 2025
幼虫育成時にマットの状態が悪いと、蛹室の形成に失敗し、蛹化不全や羽化不全の原因となることがあります。この蛹室キットを使用することで、安定した蛹室を提供し、昆虫の成長をサポートできます pic.twitter.com/ciy5GFPo6k
私は以下のスポンジで蛹室を作ったことがありますが、簡単にできましたよ^^
2:飼育環境を整える
カブトムシが無事に羽化するためには、温度と湿度の管理が超重要。 温度は20〜25℃をキープし、湿度も乾燥しすぎないよう適度に調整しましょう。さらに、飼育ケースを振動の少ない場所に置くことも大切。 強い衝撃で蛹室が崩れてしまうと、羽化不全の原因になってしまいます。カブトムシが安心して羽化できる環境を整えてあげましょう。
<ポイント>
- 温度を 20〜25℃ に保つ
- 乾燥しすぎないようにする
- 飼育ケースは振動を避ける場所に置く
3:幼虫期の栄養管理
カブトムシの幼虫が元気に成長し、しっかり羽化できるようにするには、栄養たっぷりの環境作りがカギ。そのためには質の良い発酵マットを使って、幼虫がしっかり栄養を吸収できる土台を整えましょう。
<ポイント>
- 質の良い発酵マットを使用する
羽化不全が起こってしまったときの対処法
「しっかり管理していたのに、羽化不全になってしまった…!」という場合でも、できることはあります。
- 軽度の羽化不全ならそのまま様子を見る
- 羽が広がっていない場合の補助
- 生活しやすい環境を整える
1:軽度の羽化不全ならそのまま様子を見る
羽がちょっと曲がっているくらいなら、あまり心配しなくても大丈夫。飛ぶのは難しくても、エサをしっかり食べて元気に動き回れるなら、そのまま見守ってあげましょう。無理に直そうとせず、カブトムシ自身の力でできる限り快適に過ごせるようにしてあげるのが一番です。
2:羽が広がっていない場合の補助
もし羽が体にくっついて固まってしまっていたら、ぬるま湯で湿らせた綿棒などを使って、そっと広げるお手伝いをしてあげる方法があります。ただし、無理に動かすとカブトムシに負担をかけてしまうこともあるので、慎重に優しく行うのがポイント。少しずつ様子を見ながら、無理のない範囲でケアしてあげましょう。
3:生活しやすい環境を整える
羽化不全のカブトムシはうまく飛べないことが多いので、エサにスムーズにたどり着ける環境を整えてあげることが大切です。具体的には、昆虫ゼリーを低い位置に置いて、すぐに食べられるように工夫しましょう。また、万が一ひっくり返ってしまったときに自力で起き上がれるよう、木の枝や葉を入れて足場を作ってあげるのもおすすめです。

以下のような足場となる物を飼育ケース内に入れておくのがベスト。
羽化不全のカブトムシを実際に飼育した人の体験談
以下は、羽化不全のカブトムシを飼育した人たちの体験談をまとめたものです。それぞれのケースで工夫した対処法や結果を紹介します。
「ハサミで後翅をカット」:羽がうまくしまえず飛べない状態だったため、思い切って後翅のはみ出した部分をハサミでカット。見た目は不格好になったが、カブトムシ自身は元気に動き回り、問題なくエサを食べられた。
「ぬるま湯で羽をほぐす」:羽が体にくっついて固まっていたため、ぬるま湯で湿らせた綿棒を使って優しく剥がしてみた。慎重に作業した結果、羽が少し開き、正常に近い状態に戻せた。
「ピンセットで羽をたたむ」:羽化直後に異常に気づき、後翅が出っぱなしだったため、ピンセットで前翅の下に折りたたんだ。何度か戻ってきてしまったが、繰り返すうちにうまく収まり、自然な形になった。
「人工蛹室でサポート」:蛹室が崩れてしまった影響で羽化不全になったと考え、次の幼虫のために人工蛹室を作成。結果、次の世代は無事に正常な羽で羽化し、環境の重要性を実感した。
「湿度管理を徹底」:以前、羽化不全の個体が多発した経験から、飼育ケースの湿度を見直し、乾燥しすぎないように調整。すると、翌年は羽化不全の個体が激減し、環境管理の大切さを学んだ。
「エサの置き場所を工夫」:飛べないカブトムシのために昆虫ゼリーを低い位置に設置し、転倒しにくい環境を整えた。その結果、羽化不全でも元気に長生きしてくれた。
「他の個体と分けて飼育」:健康なカブトムシと一緒に飼育すると、羽化不全の個体が踏まれたり、弱ってしまったりすることがあった。そのため、別のケースに移し、ストレスの少ない環境を作ることで、寿命を全うさせることができた。
「ひっくり返ったときのサポート」:飛べないカブトムシは転倒すると自力で起き上がれないことが多かったので、ケース内に木や葉を入れて起き上がりやすい環境を作った。これにより、転倒してもすぐに復帰できるようになった。
「そのまま見守る選択」:軽度の羽化不全で、日常生活に支障がなかったため、特に手を加えず見守ることに。結果として問題なく活動でき、十分な寿命を全うした。

こうした実体験からもわかるように、羽化不全のカブトムシは適切な対処をすれば、長く元気に過ごすことができます。状況に合わせたケアを行い、大切に育ててあげましょうね^^
羽化不全のカブトムシの寿命は?
羽化不全になってしまったカブトムシでも、基本的な寿命には大きな影響がない場合が多いです。ただし、正常な個体に比べて不全部分がとてもデリケート。ちょっとした衝撃やトラブルが、大きなケガにつながることもあるので注意が必要です。だから、適切な環境を整えてあげるようにしてあげましょう。そうすれば、羽化不全でも1〜3ヶ月程度の寿命を全うしてくれる期待が持てます。
ちなみに、羽化不全で後翅がはみ出している場合。こちらは、体がすでに固まっているならハサミでカットしてもOK。一方、羽化直後でまだ固まっていない場合は、ピンセットで後翅を前翅の下に折りたたむことで修正できます。それでも戻ってしまう場合は、体が固まった後にカットすることをおすすめ。
ただし、あくまでも私の経験。絶対ではないので参考までにしておいてください。以下のように、私と同じく羽をカットしている人もいるようですね^^
うちのカブトムシさん。羽化不全で羽が変形してひらきっぱに。中の羽が邪魔でひっくり返っても自力で戻れないからググったら切ってしまっても大丈夫だそうな。 pic.twitter.com/dIIQEs7YAZ
— ぶっち (@buccimoni) May 22, 2018
まとめ
カブトムシの羽化不全は、蛹室の崩壊・温度や湿度の問題・幼虫期の栄養不足 などが原因で起こることが多いです。予防のためには、飼育環境をしっかり整え、幼虫の成長をサポートすることが重要です。
もし羽化不全が起きてしまった場合も、焦らずに対処すれば、できるだけ長く元気に生きられるようサポートできます。
カブトムシを大切に育てるために、ぜひ今回の内容を参考にしてみてくださいね。