夏の朝、散歩をしていると公園の茂みから「チョン!ギィーチョン!」とキリギリスの鳴き声が。
そんなキリギリスが登場する童話があります。誰もが知っていると思う「アリとキリギリス」です。一生懸命働くアリを馬鹿にして、毎日遊び呆けているキリギリス。ですが冬になり餌が無く、アリに貰おうとしても「自業自得」と言われ餓死をする物語。
子供のころ読んだ記憶では、「バカだなぁ~ちゃんと働けばもっと長生きできたのに」なんて思ったような気がします。そして自分はそんなふうにならないためにも、「大人になったらたくさ仕事をするぞ!」と誓ったかどうかは定かではありません(^^;
と昔のことを懐かしみながらキリギリスの寿命などについて調べましたのでお伝えします。
キリギリスの寿命
キリギリスの全体をとおしての寿命は、
- 卵の時期:約6ヵ月
- 幼虫の時期:約4ヵ月
- 成虫の時期:約2ヵ月
となっていました。
そのサイクルをまとめると以下のような感じです。
サイクル | |
---|---|
卵期 | 8月頃に土の中に産卵され、翌年の4月頃に孵化 |
幼虫期 | 4月頃から7月初頃まで草本などを食べて7月中頃に成虫になる。 |
成虫期 | 9月頃まで小さな昆虫などを食べ、交尾をし産卵を済ませ寿命が尽きる |
だから鳴き声を聞かせてくれる成虫の場合は、夏の時期の約2ヵ月の寿命ですね。
ただその寿命も飼育下でなら延ばせてあげることができるかもしれません。
え!そうなの。
やはり自然界では天敵もいるし、生活環境の悪化など危険はいっぱいだからね。現に飼育下で雌を越冬させた話も聞いたことがあるよ。
じゃーどんな飼育方法なの?
うん。それも調べたから紹介するね。あ!その前にキリギリスの種類があるから見てみて。
キリギリスにも種類があった
あると言っても分けられるのは
・2種類
だけです。それも、
- ヒガシキリギリス:青森県から岡山県
- ニシキリギリス:近畿地方から九州地方
と地域別に生息している種をわけているだけ。ただ大きさや特徴に微妙な違いがあり、
大きさ | 特徴 | |
---|---|---|
ヒガシキリギリス | 雄:約35.0㎜ 雌:約37.0㎜ | 体色は緑か褐色。翼が短く黒斑が多い。 |
ニシキリギリス | 雄:約36.0㎜ 雌:約39.0㎜ | 体色は緑か褐色。翼が長く黒斑が少ない。 |
のようにニシキリギリスの方が若干大きいようです。あとつばさについてる黒い斑も、こちらは少ないとありますが、中には全くない個体もあるそうです。
そういえばキリギリスって鳴くのは雄?雌?
雄だよ。雌を呼ぶために左の翼を上にして右の翼とこすり合わせて鳴くんだよ。
キリギリスの寿命を延ばす飼育方法
飼育が難しとも言われるキリギリス。ただ先ほども触れましたが、方法次第では越冬させることもできます。でも雄よりも雌の方がその確率が高いようです。たぶん卵を産むために雄よりも栄養を蓄えるためではないでしょうか^^
雄だけを飼育する場合
鳴き声を楽しむだけなら雄を1匹飼育するのがおすすめ。なぜならキリギリスは共食いをするからです。
そして用意するのは、
- 飼育ケース
- 植物
- 餌
- 水
飼育ケース
キリギリスは飛び跳ねたりとよく動きます。だから大きいサイズの飼育ケースがおすすめ。あと逃走を防ぐために蓋はしっかりしたものにしましょう。
それと小さなコバエなどの侵入は防ぎたいので、そのような防止策がしてあるものを選びたいですね。
植物
飼育ケースの底の敷くのは草本がおすすめ。公園や野原などで採取すればOKです。ただできれば一度綺麗な水で洗ってから敷いてあげましょう。なぜならキリギリスに害がある農薬などがついてると嫌ですよね。
餌
基本的に肉食性ですが野菜や穀類も食べます。野菜なら時期的な夏野菜のナスやキュウリ。穀類ならコメやムギ。あと肉食性なので鰹節や煮干しを与えると喜びますし、ドックフードも食べてくれます。
水
野菜などで水分補給はするようですが、別に用意してあげましょう。水を含ませたスポンジを飼育ケースの中に入れておけばOKです。また霧吹きなどで飼育内の植物を濡らしてあげてもいいですよ。
雄雌のペアで飼育する場合
基本的に用意するものは同じ。また使い方も先ほどのとおりでOKです。ただ違うのは雌が産卵する場所は土の中になります。ですから飼育ケースの底に土を敷いてあげましょう。また表面から3㎝程の位置に産むので敷く土は最低でも5㎝は必要になります。
あと注意するのは、マットは乾燥させないこと。それと、共食いしないように飼育ケースのサイズも2匹用の大きなものにしましょう。共食い防止には鰹節など動物性の餌を与えることでも回避ができるかもしれません。
それからキリギリスは日光浴が大好き。だから直射日光は避けながらも、日当たりの良い場所に飼育ケースを置くのがおすすめだよ。
そうすると雄はよく鳴くんだよね。
そのとおり!
キリギリスとバッタの違いは?
子供のころはじめ、キリギリスとトノサマバッタの違いがわかりませんでした。だって色も形もパッと見はにてますよね(^^;
だけど観察すると、
- 大きさ
- 触覚
- 足のトゲ
- 後ろ足
- 鳴く方法
- 生息地
の違いがあります。どこが違うかは以下のとおり。
キリギリス | トノサマバッタ | |
---|---|---|
大きさ | 体に高さがある。 | 体に高さがない。 |
触覚 | 長い | 短い |
足のトゲ | 長くて鋭い | 小さい |
後ろ足 | 長い | 短い |
鳴く方法 | 翼を使う | 足を使う |
生息地 | 高さのある植物の場所。 | 低い雑草がある場所。 |
食べ物 | 肉食 | 草食 |
この中のキリギリスの長い足のトゲは、捕食した昆虫などを逃がさないためですよ。
アリとキリギリスには3通りに結末がある
これは最近知ったのですが、アリとキリギリスの結末には3通りあるようです。まず1つ目は冒頭でもお話ししたように、いつもバイオリンを弾いて遊んでばかりいたキリギリスは冬になり餌がなくなります。それでアリに餌をもらおうとしたが、自業自得と断られ餓死してしまうですね。
そして2つ目は、同じく冬に餌がなくなり、ダメもとでアリにお願いに行くと、バイオリンを聞かせてくれればと言う条件で餌をもらい助かります。それで感動し、心を入れ替えたキリギリスは翌年から一生懸命働きだす。
3つ目は、自分の寿命が短いことを知っていたキリギリス。だから残された時間をめいいっぱい楽しみます。そして最後は自分の亡骸をアリに食べてもらおうと思っていた。
以上の3結末でした。
まとめ
夏が好きな自分にとっては、あのキリギリスの鳴き声を聞くと、夏がやってきた実感が湧き大好きですね。
今年の夏には久しぶりに捕まえて飼育でもしてみようと考えています。
そんなキリギリスの寿命をおさらいすると、
- 卵の時期:約6ヵ月
- 幼虫の時期:約4ヵ月
- 成虫の時期:約2ヵ月
でした。鳴いてくれる成虫は約2ヵ月の寿命です。
今回も記事をお読みいただきありがとうございました。