「あれ?春なのにカマキリが生まれない…」そんな時に読む記事です。
庭やベランダにそっと置いておいたカマキリの卵、「そろそろかな?」と毎日楽しみに見ていたのに、いつまでたっても赤ちゃんが出てこない…そんな時、心配になりますよね。
でも、まだ慌てなくて大丈夫!実は、ちゃんと孵化しない理由には“パターン”があるんです。
この記事では、
- ✅ 孵化しない原因のチェックポイント
- ✅ 見分け方と判断のコツ
- ✅ まだ間に合う?ダメになった卵の対処法
などを、やさしくまとめました。
きっと、「どうすればよかったのか」「これからどうすればいいのか」がスッキリしますよ^^
孵化しない原因を3タイプで整理(早見表あり)

まずは、原因をざっくり3つのタイプに分けてみましょう。下の表でイメージをつかんでください。
原因タイプ | 内容 | 見極めのヒント |
---|---|---|
① 無精卵 | 交尾していないメスが産んだ卵 | 卵鞘が軽くて乾燥気味 |
② すでに孵化済 | 実は赤ちゃんはもう出た後 | 卵鞘に小さな穴が多数ある |
③ 環境トラブル | 気温・湿度・日照不足など | 寒い春や湿気が多すぎると遅延 |
それぞれ詳しく見ていきましょう。
① 無精卵だった場合
実は、カマキリは交尾をしないと「受精卵」を産めません。つまり、メスがオスと交尾せずに産んだ卵は、残念ながら無精卵=赤ちゃんが育たない卵なんです。でも外見は普通の卵鞘とほとんど同じなので、パッと見では見分けがつきにくいのがやっかいなところ。
「この卵、ほんとに有精卵?」見分けポイントをやさしく解説!
チェック項目 | 有精卵っぽい特徴 | 無精卵かも?な特徴 |
---|---|---|
手に持ったときの重さ | どっしり感あり、やや重め | なんとなく軽くて頼りない |
表面の質感 | 色が濃くてしっとり系 | 乾燥気味でヒビが入りやすい |
交尾の有無 | メスがオスと交尾済みなら◎ | 交尾の記録がないと微妙かも… |
✅ 手に持ったときの重さ
- 有精卵っぽい特徴:
持ってみると「おっ、ちょっと重いかも?」と感じるずっしり感が。これは中にちゃんと命が育ってる証拠かもしれません。詰まってる感じがあるんですよね。 - 無精卵かも?な特徴:
なんとなくフワッと軽い…。持ったときに「え、これ中身ある?」と不安になるような軽さだと、もしかすると無精卵の可能性も。
✅ 表面の質感
- 有精卵っぽい特徴:
表面がしっとり気味で、色もやや濃いめ。水分を含んでるような印象があり、ツヤ感が残っていれば◎。新鮮で健康な卵らしい手応えがあります。 - 無精卵かも?な特徴:
カラッとして乾燥気味。場合によっては小さなヒビが入っていることも。カピカピに乾いてる感じなら、ちょっと期待薄かもしれません。
✅ 交尾の有無
- 有精卵っぽい特徴:
産卵前にオスとしっかり交尾していれば、まず大丈夫。メスが交尾済みなら、有精卵を産む確率はぐっと上がります! - 無精卵かも?な特徴:
「そういえば、オスと一緒にいた記憶がない…」という場合は注意。交尾せずに産んだ卵は、当然ながら無精卵の可能性が高めです。
② 実はもう孵化していた
カマキリの赤ちゃん(幼虫)は、春先になると卵鞘(らんしょう)から一斉に孵化します。体長はわずか1〜2cmほどで、色も茶色っぽく地味なため、よほど注意していないと見落としてしまうほどの小ささです。
しかも、孵化は短時間で一気に進むのが特徴。一度に数十〜百匹以上が出てくるので、気がついた時には「誰もいない!」状態になっていることも珍しくありません。まさに“集団でこっそり旅立っていった”ようなイメージですね。
見逃さないためのポイントはこちら:
- ✅ 卵鞘の表面に無数の小さな穴が開いていれば、すでに赤ちゃんたちは外へ飛び出したサイン
- ✅ 卵の近くに細かい脱皮殻のようなものが残っている場合、それも孵化後の痕跡です
- ✅ 春先(気温が20℃前後)になった頃に突然静かになったら、すでに旅立った可能性大
「いつの間に!?」と思うかもしれませんが、それもカマキリのたくましさ。自然の中で生き抜くために、静かに、でも確実にスタートを切っているのです。
③ 環境による失敗や遅延
カマキリの卵が孵化しない原因の一つに、「自然環境の影響」があります。たとえば、春になっても気温が上がらず寒い日が続いたり、卵鞘が強い直射日光にさらされて乾燥しすぎると、うまく孵化できないことがあります。
カマキリの卵は、本来、春の暖かさと適度な湿気を感じて一斉に孵化するようになっています。ですが、寒冷な春や、異常気象による気温の乱れがあると、孵化のスイッチが入らずそのままタイミングを逃してしまうことも。
また、卵鞘が直射日光を浴び続けると内部が乾燥し、卵がカラカラに干からびてしまうこともあります。
▶チェックポイント:
- 孵化予定の春が「冷え込んでいた」
- 置き場所が「日当たりの良すぎる場所」だった
- 周囲の空気が「極端に乾燥していた」
- 孵化予定時期に「急な寒の戻り」があった
とくに屋外で自然に任せていた場合、こうした環境変化は避けにくいので、卵を見守る場合は「設置場所の工夫」も重要になります。
カマキリの天敵を知っておくのも大切ですよ~↓
孵化が遅れているだけ?気温とタイミングをチェック!

「まだ孵化してない=失敗」とは限りません。春先の気温がカギを握っているかも!
✅ 気温と積算温度の関係を知ろう!
カマキリの卵は、日ごとの平均気温を積み上げて合計約450℃に達すると孵化の目安とされています。
<目安となる積算温度の計算例>
- 3月:10℃ × 31日 = 310℃
- 4月:15℃ × 30日 = 450℃ → 孵化ライン!
つまり、地域差やその年の気候によってズレるのは当たり前。「うちはまだ350℃しかいってない…」というなら、もう少し様子を見るのが正解です!
卵を大事に育てている中で、ふとよぎるのが「そもそもこれ、本当に孵るのかな?」という不安…。そこで、有精卵と無精卵の見分け方を、初心者さんにもわかりやすくまとめました!
孵化しなかった場合の対処&次回へのヒント
カマキリの卵が孵化しなかったとき、「失敗だった…」とがっかりしてしまうのは当然のこと。でも、実はそこからこそ、次の成功へのヒントがたくさん隠れているんです!
ここでは、孵化しなかった場合の具体的な対処法と、次回こそ成功させるための“改善ポイント”をわかりやすくまとめていきます。
■ まずは卵の状態をチェック
孵化しなかった卵は、すぐに捨てずに観察してみてください。以下のようなチェックポイントがあります。
チェック項目 | 観察ポイント |
---|---|
見た目の変化 | 全体的に黒ずんでカビている → 明らかな死卵の可能性大。 乾燥しきって茶色く軽い → 無精卵の可能性。 中が空洞っぽい音がする → すでに中身が乾燥 or 孵化済み? |
孵化痕があるか | 表面に細かい穴や裂け目があれば、実は孵化していて見逃した可能性もあり。 |
孵化時期のずれ | 寒冷な春などで遅れているだけの可能性も。様子を見て保管継続もアリ。 |
■ ダメだった原因を“ざっくり分析”してみよう
成功率アップには「なぜ失敗したのか?」を考えるのが超重要!
上記の方でも説明した無精卵を含め、下記のような可能性を思い当たる節から見直してみましょう:
可能性 | チェックのヒント |
---|---|
無精卵だった | メスがオスと交尾していなかった可能性あり。次回は必ず交尾後に採卵。 |
湿度管理ミス | 乾燥しすぎると失敗しがち。ケース内が乾き気味だった場合は要注意。 |
寒すぎた or 暑すぎた | 特に春先の寒波や、直射日光の当たりすぎで温度差が激しかったなら、要調整。 |
孵化時期を読み違えた | 本来より早く見切りをつけてしまっていないか?越冬卵の場合、遅れて孵化することもあります。 |
■ 次回はこうすれば成功しやすい!
1つの失敗が、次の大成功につながります。ここからは、次回の孵化で成功率をグッと高めるコツをご紹介します。
✅ 親の交尾を確認しよう
無精卵を防ぐには、まずここが基本!しっかり交尾を済ませたメスから採卵しましょう。交尾から数日~1週間後くらいの産卵がベストタイミング。
✅ 卵の保管は“自然に近い環境”を意識
過剰にいじらず、風通しのよい場所で直射日光は避けて保管。乾燥しすぎないよう、霧吹きを軽く使うのも効果的。
✅ 温度・湿度の記録をつける
今年ダメだった温度帯を把握するため、温湿度計を設置して記録をつけておくと次回に活きてきます。
→ 目安:15〜25℃・湿度60〜70%程度をキープ
✅ 2つ以上の卵を育てて“保険”をかける
1個だけだと運に左右されがち。卵を2〜3個用意しておくと、1つ失敗しても他で成功する可能性が高まります。
✅ 孵化まで“長い目”で見守る
孵化は3月下旬〜5月くらいまで幅があります。慌てて処分せず、少し余裕をもって様子を見てみましょう。
■「観察ノート」をつけてみよう
些細なことでも記録しておくと、次回へのヒントになります。以下のようなフォーマットを使うのもおすすめ。
- 採卵日:2025年10月15日
- 交尾日:2025年10月12日
- 保管場所:室内・日の当たらない棚
- 保管温度&湿度:○月平均18℃/湿度65%
- 孵化の兆しが出た日:——
- 失敗の兆候:乾燥が進んで軽くなった etc.
今一度、カマキリの生態についてしらべるのもおすすめ↓
■落ち込まずに次へ!自然相手の“失敗は普通”
最後にお伝えしたいのは、「1回の失敗は、決してムダじゃない」ということ。
むしろ、それを経験できたこと自体が“孵化名人への第一歩”なんです。
自然界でも、すべての卵が必ず孵るわけではありません。だから、あなたの挑戦は間違っていません。
今回の経験をもとに、次こそ「わっ!生まれた!」という感動を味わいましょう!

次に、カマキリの卵が孵化しないときによくある疑問や気になるポイントをQ&A形式でまとめました。「これ、どうなの?」がスッキリ解決するかもしれませんよ!
Q&A:孵化しない…これって私だけ?よくあるギモンを一挙解決!
Q1. 【卵の色が変わったけど大丈夫?】
はい、ある程度の変化なら心配ありません。
たとえば産卵直後は黄みがかっていたのに、時間が経つと濃い茶色や灰色っぽくなることがあります。これは乾燥や酸化による自然な変化なので正常です。ただし、カビっぽい白や青緑色に変色した場合は要注意。その場合は湿気が多すぎたか、すでに中身がダメになっている可能性もあるので、そっと処分を検討してもいいかもしれません。
Q2. 【1匹しか飼ってないのに卵を産んだ!】
それ、よくある“あるある”です!
実はメスのカマキリは、交尾していなくても「無精卵」を産むことがあります。見た目は有精卵とそっくりなので、ちょっと見ただけではわかりません。ただ、残念ながら無精卵は孵化しません。交尾の記録がない場合は、その卵は“練習産み”の可能性が高いですね。
Q3. 【卵から孵化するのにどれくらい時間がかかる?】
種類や季節によって差はありますが、目安としては秋に産卵→翌年の春に孵化というパターンが多いです。
気温が15℃以上になってくると、そろそろかな?と身構えていてOK。特に20℃を超えると一気に動き出すことも。真冬に動きがないのは普通なので、焦らずじっくり待ちましょう。
Q4. 【卵を動かしちゃっても大丈夫?】
基本的にはOKですが、極端な温度差や衝撃には要注意!
特に産みたての卵はデリケートなので、できればそっとそのままにしておくのがベスト。どうしても移動させたい場合は、卵がしっかり乾いてから、静かにやさしく。冬の保管場所を変える際も、急に暖かい部屋に入れると早く孵化してしまう可能性があるので注意しましょう。
Q5. 【カマキリの卵ってどこに産むの?】
自然界では枝の先や、草の茎、建物の壁などに産みつけます。
意外と高い場所だったり、人目につかないところを選んだりと、なかなかの知恵者。もし自宅で産卵した場合は、ケースの壁やフタの裏側などにくっついていることが多いです。見つけたら、そっとしてあげましょう。
Q6. 【卵から一斉に生まれるの?】
はい、ある日突然いっせいにワラワラと!
ある日、ケースの中が一気ににぎやかになるという驚きの瞬間が訪れます。生まれたてのカマキリはとても小さくてクモの子のようですが、すでに立派にハンターの目をしています。時間帯は朝〜昼にかけてが多く、湿度や気温が急に上がった日がトリガーになることも。
Q7. 【孵化した赤ちゃんたちのエサは?】
意外かもしれませんが、最初の1~2日はエサなしでもOK!
生まれたばかりのカマキリは、体内にあるわずかな栄養を使って動きます。が、それ以降は早めにエサを与えた方が元気に育ちます。小バエやアブラムシなど、小さくて動く虫が最適です。入手が難しければ、最初だけは市販の昆虫ゼリーやお魚のベビーフードを薄めてスポイトで与える方法もあります。
Q8. 【冬に孵化したらどうすれば?】
自然の予定より早く生まれてしまった場合、人工的な飼育が必要になります。
室温を20〜25℃に保ちつつ、小さな虫を用意して定期的にエサを与える必要があります。生存率はやや下がるものの、丁寧に飼えば春まで育てることも可能です。ただ、できれば自然に孵る春まで待たせてあげたいですね。
Q9. 【卵から1匹も孵化しなかった…なぜ?】
原因はさまざまですが、代表的なのは以下の3つ。
- 交尾していなかった(無精卵)
- 湿度・温度管理が不十分だった
- もともと産卵時に卵が弱っていた
がっかりするかもしれませんが、これは誰にでも起こりうること。次の繁殖シーズンに向けて、今回の経験を生かしてあげてください!
Q10. 【卵ってどれくらいの期間保存できるの?】
自然界のカマキリの卵は、半年以上の越冬にも耐えるタフさがあります。
乾燥しすぎず、直射日光の当たらない10℃前後の場所で保管すれば、春までしっかり生き残ります。冷蔵庫は温度が低すぎるのでNG。衣装ケースの中や、断熱材の入った保温箱などでじっくり管理してあげましょう。
まとめ:この記事で分かったこと
- 卵が孵化しない理由は「無精卵」「すでに孵化済」「環境の問題」の3パターンに分類できる
- 積算温度や見た目などから、孵化可能性を見極めるコツがある
- あせらず観察することが、次の成功にもつながる
孵化しないからといって、すぐに失敗と決めつける必要はありません。カマキリと自然のリズムを少しだけ待ってみる。それもまた、自然観察の楽しみのひとつです。