夏になると大人気のクワガタ。元気に動き回る姿を楽しみにしていたのに、気づけば土にもぐってしまって
・「あれ、元気ないのかな…?」
と心配になったことはありませんか?
でも実は、土に潜る行動はクワガタにとってとても自然なことなんです。
と言うことで今回は、クワガタが土にもぐる理由や、もぐっている間の行動パターン、そして飼育時に気をつけたいポイントまでをわかりやすくまとめました^^
クワガタが土に潜る主な理由
以下のお借りしたコメントでも、クワガタが土に頻繁に潜る行動に驚かれていますね(^^;
クワガタさんめっちゃ潜っとるけどこんなに土に潜る生き物なんですか?!
— あっちゃん (@ayacchan8) June 27, 2018
飼うの初めてで分からないことだらけ! pic.twitter.com/PIzB26jbUk
そして、その土に潜る理由は、
- 夜行性ゆえの「隠れる本能」
- 休眠・越冬のための準備
- メスの産卵行動
- ストレスを感じたときの避難行動
- 体力回復・栄養温存のため
- 外敵から身を守るため
- 乾燥や直射日光を避けるため
- 土の中の微生物・菌類と共生するため
などです。
①:夜行性ゆえの「隠れる本能」
クワガタは夜行性の昆虫。昼間は天敵から身を守るために、木の根元や土の中でじっと隠れて過ごします。飼育下でもその本能は変わらず、日中の明るい時間帯には落ち着ける場所=土の中へ潜りたくなるのです。
室内で飼っていても、部屋の電気や自然光を本能的に「危険!」と感じるため、土にもぐる行動が自然に出てきます。

むしろ、潜っている=リラックスしているサインだと思うと安心ですね。
②:休眠・越冬のための準備
気温が下がってくると、クワガタたちはエネルギー消費を抑えるために休眠モードに入ります。特にコクワガタなどの種類は、冬を越すために暖かい土の中でじっと過ごすのが一般的です。
羽化したばかりの若い個体や、エネルギーをしっかり蓄えたい個体も、自然と土に潜ることが多くなります。

つまり、クワガタにとって土は寝床でもあり、命を守るシェルターなんです。
③:メスの産卵行動
クワガタのメスが土にもぐる大きな理由のひとつが産卵です。特に交尾後のメスは、体力を温存しながら安全な場所で卵を産むため、静かで落ち着ける土中へ潜っていきます。
クワガタのメスってすごいよ
— せるち🫠🫧たまに洗車する (@celchiFX) October 7, 2019
人の気配で速攻土に潜る
毎回
このとき、メスはほとんど地上に出てこないことも珍しくありません。時々エサを食べに顔を出すものの、基本的には産卵に集中している状態。

飼育者からすると「ずっと潜ったままだけど大丈夫かな?」と心配になるかもしれませんが、これはごく自然な生態行動なので、そっと見守ってあげましょうね。
④:ストレスを感じたときの避難行動
飼育環境が明るすぎたり、振動が多かったり、騒音が大きかったりすると、クワガタは不安を感じやすくなります。そんなときに取る行動が、「とりあえず土にもぐる」こと。
クワガタにとって土の中は安心できる場所。暗くてひんやりしていて、外敵からも隠れられる理想の避難所なんです。

「最近よく潜るな」と思ったら、飼育環境が落ち着いているかもぜひチェックしてみてくださいね!
⑤:体力回復・栄養温存のため
クワガタは活動時に多くのエネルギーを消費しますが、土に潜ることで活動量を抑え、体力を回復し、消耗を防ぐ役割も果たしています。

特に、エサが少ない環境やエネルギーを温存する必要がある場合に、無理に動かずじっと潜って体力を温存する傾向がありますよ。
⑥:外敵から身を守るため
自然界では、鳥や哺乳類などクワガタを狙う天敵がたくさんいます。土に潜るのは、単純に「見つかりにくくする」ための防御行動でもあります。特に地表に長時間いると目立ってしまうため、潜って身を守るのは生存本能に直結しています。

飼育時でもそのようなことを感じれば土に潜るのは自然なことですね。
⑦:乾燥や直射日光を避けるため
クワガタは乾燥に弱い昆虫です。直射日光や極端な乾燥を感じると、体の水分を守るために涼しくて湿った土に潜ることがあります。

これは熱中症を防いだり、脱水症状を防ぐための本能的な行動です。
⑧:土の中の微生物・菌類と共生するため
土壌にはクワガタにとってプラスに働く微生物や菌類が存在することもあります。これらが体表のメンテナンスに役立ったり、ストレス軽減に寄与するという説もあるんです。クワガタにとって土の中は単なる「隠れ家」以上の役割を持っている可能性も考えられます。

少しマニアックな情報でもありますけどね(^^;
潜っている時のクワガタの行動パターン
クワガタが土に潜ったままだと、「何してるのかな?」「元気にしてる?」ってちょっと気になりますよね。実は、潜ったあとの過ごし方にはオスとメスでちょっとした違いがあるんです。
産卵中のメス
産卵モードのメスは、基本的に土の中でじっとして動きません。1週間以上地上に出てこないこともザラにあります。また、産卵の際には、マットをほぐして小さなトンネルを作るような動きが見られることも。飼育ケースの側面から小さな穴が見えることもあるので、そっと観察してみるのも楽しいですよ!
なお、エサ不足になると産卵を途中でやめてしまうこともあるので、ゼリーは切らさず用意してあげましょう。
オスの潜り行動
オスは基本的に、メスほど長く潜ったままになることは少ないですが、気温が下がったり、安心したいときには同様に土にもぐります。また、メスが産卵のために掘った穴をちゃっかり隠れ家にして使うオスも。
ただし、オスは比較的活発なので、エサを食べに出てきたり、ケース内をうろうろ歩き回ったりする様子もよく見られます。

たまに潜って、たまに出てくる。これがオスの自然な行動パターンって感じですよ。
土に潜ったクワガタの生存確認方法
あと、「何日も出てこないけど、生きてるの?」と心配になりますよね。そんなときのチェック方法を紹介します。
①:爪のひっかかりチェック
冬眠中でも、元気なクワガタは爪に力が入っています。指先やティッシュにそっと触れさせたときに、爪が引っかかる感触があれば生きているサインです。
②:首(頭部)の確認
クワガタをそっと持ち上げたとき、首(胸部)にしっかりした力があるかどうかもチェックポイント。
死んでしまった個体は、首の部分がぐらぐらして力が抜けていますが、生きている個体は首がしっかりしています。

あくまで優しく、慎重に確認してくださいね!
飼育管理のポイント
上記で説明したとおり、土に潜る行動は大切と言えます。そのためにも、土に潜りやすい環境を整えてあげることがポイントです。
① マットの湿度管理
乾きすぎたマットは潜りにくく、湿りすぎるとカビや雑菌が繁殖してしまいます。目安は「握ったときに軽く固まるくらい」の適度な湿り気を保ちましょう。乾燥してきたら、霧吹きで軽く水を足してあげればOKです。
② マットの深さ
クワガタにとって、潜れる深さのマットは安心の源。小型種なら5〜10cm、中型〜大型種なら10〜15cmほどの深さを確保すると◎です。特にメスが産卵しやすい環境を作りたい場合は、深めに敷くのがおすすめ。
③ 温度管理
クワガタは基本的に20~28℃の温度帯を好みます。極端に暑い(30℃以上)環境や、寒すぎる(15℃以下)環境では体調を崩しやすくなります。夏場は直射日光を避け、冬場は冷えすぎないように管理して、年間通して快適な温度環境を作ってあげましょう。
まとめ
今回のポイント等をまとめると、
- 潜る理由:夜行性・休眠・産卵・ストレス軽減
- 潜っている間の行動:産卵・寝返り、餌探し
- 生存方法:爪の引っかかり・首の硬さ
- 飼育ポイント:マット湿度・深さ・温度を適切に管理
です。
クワガタが土に潜るのは、自然で健康的な証拠。焦らず、静かに、やさしく見守ることが飼育成功のカギです。