・「カマキリってアリを食べるの?それとも避けちゃうの?」
何てこと考えたことありませんか^^
実はカマキリの食べ物事情って、見た目以上に奥が深いんです。しかも、幼虫と成虫では“狙う相手”がちょっと変わることも…。
ということで今回は、カマキリとアリのリアルな関係から、野外での面白い行動、さらには飼育するときのちょっとした注意点まで、ぜ〜んぶまとめて解説します。
そもそもカマキリはアリを食べるのか?
結論から言うと、
・はい、食べます
が答え。ただし「いつでも・どのアリでも」というわけではありません。
- 幼虫期 → 体が小さいため、小さな昆虫を中心に捕食。アリは大きさ・動きの遅さ・数の多さから格好のエサになる。
- 成虫期 → 大型の獲物も狙えるため、アリは「食べることもある」程度。ただし、毒や酸を持つアリは避ける傾向あり。
- 飼育下 → 種類や与え方によっては安全だが、与えすぎや危険なアリ種はNG。
つまりカマキリにとってアリは、状況次第で優秀な獲物にも、リスクの高い相手にもなりうる存在なんです。
状況 | アリを食べる可能性 | ポイント |
---|---|---|
幼虫期(小型) | 高い | 小さくて捕まえやすい、栄養補給に適している |
成虫期(大型) | 中程度 | 他の獲物が豊富ならあまり狙わない |
飼育下 | 調整次第 | 安全な種を選び、与えすぎ注意 |
カマキリとアリの捕食関係とは?

「さて、“カマキリはアリを食べる”と一言で言っても、その背景にはいろんな自然界の事情が隠れています。ここからは、カマキリとアリがどんな関係を持っているのかを、ちょっとのぞいてみましょう。」
なぜアリを食べるのか
カマキリは生まれたときから肉食ハンター。幼虫のうちは体も小さく、狙える獲物も限られます。
その中でアリは…
- 大きさがちょうどいい:幼虫でも一口サイズ
- 動きが読みやすい:直線的な行動パターン
- 数が多い:見つけやすく、次の獲物探しも楽
つまり、カマキリの幼虫にとってアリは「手頃で安全に狩れる、ありがたい練習台」みたいな存在なんです。
【自然情報】
— 桑袋ビオトープ公園 (@biotop_park) May 20, 2025
カマキリの幼体がアリを捕食していました。
こんなに小さくてももう立派なハンターなんですね。#足立区桑袋ビオトープ公園 #桑袋ビオトープ公園 #足立 #足立区 #花畑 #ビオトープ #公園 #お出かけ #自然 #カマキリ pic.twitter.com/Pqogu35Z12
まだ足や鎌の力が弱い時期でも捕まえやすく、しかも次から次へと見つかるから、狩りの経験値を一気に積むにはもってこい。いわば、カマキリがハンターとして一人前になるための“初級ステージ”がアリなんですね。
カマキリでも要注意!食べちゃダメな危険アリ
「アリなら何でもOK」ではありません。種類によっては、カマキリにとっても大きなリスクになるものがあります。特に注意が必要なアリを表にまとめました。
危険なアリの例 | 危険ポイント |
---|---|
クロオオアリ | 大型&強力なアゴで反撃する可能性 |
ムネアカオオアリ | 攻撃的で仲間を呼び寄せやすい |
アカカミアリ(外来種) | 強い毒針やアリ酸でダメージを与える |
トビイロシリアゲアリ | 素早い動きと集団攻撃で逃げにくい |
飼育下ではこうしたアリを与えるのは避けましょう。狭い空間では逃げ場がなく、怪我やストレスの原因になります。
実際の観察エピソード
- 庭の花壇で幼虫がアリを捕食
- 梅雨明け、小さなカマキリがアリの行列に忍び寄り、数匹を立て続けに捕獲。
- 成虫がアリを無視
- 秋口、成虫にアリを近づけても興味を示さず、代わりにバッタやハエを捕食。
- 飼育中の事故例
- クロオオアリを与えた結果、カマキリが足を噛まれパニックに。数日後に体調を崩した事例も。
こんなふうに見ていくと、カマキリとアリの関係は単純に「捕食者と獲物」だけではないことがわかりますね。幼虫期は動きの遅いアリも格好の餌になりますが、成長するとより大型で栄養価の高い獲物にシフトするため、アリへの興味は薄れがち。さらに、種類によっては強い顎や毒を持つアリもいて、逆にカマキリがダメージを受けることもあります。

つまり、アリは“安全なおやつ”にもなれば、“危険な相手”にもなる存在。カマキリにとっては、相手の種類や状況を見極めることが生き残るためのカギなんです。
カマキリがアリを食べるときの注意点
その注意点は、
- アリ酸(ギ酸)のダメージ
- 噛みつき・反撃のリスク
- 栄養バランスの偏り
です。
アリ酸(ギ酸)のダメージ
アリが持っている「アリ酸(ギ酸)」は、カマキリにとって結構な刺激物。人間でいうところの、レモン汁が目に入るようなツンとしたダメージです。捕食時にこれが口や触角にかかると、しばらく動きが鈍くなったり、食欲が落ちることも。目や関節部分に当たれば、動きづらくなることもあります。小さな体でも、自然界ではこれが大きなリスクなんです。
アリ科の昆虫すべてがギ酸を含有するわけではないものの、日本国内でわたしたちがよく見るクロオオアリやクロヤマアリはギ酸が含まれるアリのなかまです。アリに含まれるギ酸の濃度は、高いもので50パーセントを超えます。アリのギ酸は、天敵となる動物に食べられにくくする役割と、アリどうしのコミュニケーションとして警告フェロモンの役割があると考えられています。
噛みつき・反撃のリスク
アリって小さいのに、意外とファイター気質。特に大型のアリは強力な顎でガブッと足や触角を噛みます。カマキリにとっては、これが意外な痛手。触角をやられると「アンテナ(情報収集器)」を失うのと同じで、餌探しや周囲の状況把握が難しくなります。しかも、戦っている間にほかのアリが集まってきて“袋叩き状態”になることもあるので、まさにリスクだらけの相手。
栄養バランスの偏り
アリはタンパク質が豊富で、一見「栄養満点」に思えますが、カマキリが健康に育つにはいろんな昆虫から幅広い栄養をとる必要があります。アリばかり食べさせると、必要な脂質やビタミンが不足して、脱皮がうまくいかなかったり、寿命が短くなったりすることも。カマキリにとってのアリは、例えるなら人間の“ポテチ”のようなもの。たまに食べるのはいいけれど、主食にしちゃダメなんです。
カマキリにアリを餌として安全に与えるコツ
安全にアリを与えるためには、ちょっとしたコツがあります。
むやみに捕まえてポイっとあげるのではなく、種類や状態を見極めることが大切なんです。で、下の表で、与えるときに気をつけたいポイントをまとめました。
与え方 | ポイント |
---|---|
種類を選ぶ | 小型でおとなしいアリを選択(例:クロヤマアリの小型個体) |
事前に弱らせる | 足を1〜2本切って反撃できない状態にする |
数を制限する | 1〜2匹から始め、様子を見て調整 |
他の餌と混ぜる | ハエ、コオロギ、ミルワームなどとローテーション |
表で示したように、アリを与えるときは「種類・数・状態・ローテーション」がポイントです。
要するに、カマキリの体力や安全を最優先に考え、無理なく自然に近い食生活を意識するだけで、トラブルをぐっと減らせます。

最初は少量で様子を見ながら試すのが、飼育者にとってもカマキリにとっても一番安心な方法です。
ちなみに、家の中にも餌となる物は多いですよ↓
Q&A:カマキリとアリのリアルな観察エピソード10選
実際に観察されたカマキリとアリの関わりを、Q&A形式で具体例とともに紹介します。
日常の野外や飼育環境でのリアルな行動を知ることで、「カマキリはアリをどう扱うのか」がぐっと理解しやすくなります。
Q1. 「カマキリの幼虫、アリを秒で捕食!?」
A. 野外でふ化したばかりのカマキリ幼虫が、目の前を通ったクロヤマアリを反射的にキャッチ。まだ足取りもおぼつかないのに、鎌の動きは一瞬。小型のアリは抵抗できず、あっという間に食べられてしまいました。幼虫期は小型獲物への反応速度が特に鋭いようです。
Q2. 「大型クロオオアリ vs 若いカマキリ、まさかの引き分け」
A. 成虫手前のカマキリが、地面を歩くクロオオアリにアタック。しかしアリは強靭な大顎で足をがっちり噛み、カマキリは驚いて放してしまいました。お互い無傷で終了。大型のアリは簡単には捕まえられないことがわかる事例です。
Q3. 「室内飼育でアリを与えたら…逆に襲われた!?」
A. 飼育中のカマキリにクロオオアリを5匹投入。ところがカマキリが食べる前に、アリたちが協力して足や腹部を攻撃。飼育ケース内では逃げ場がなく、カマキリは明らかに動きが鈍くなってしまいました。アリの集団投入は非常に危険です。
Q4. 「冬のゴミ置き場で、アリを食べるカマキリを発見」
A. 氷点下の外気にもかかわらず、温かいゴミ置き場でアリを捕食しているカマキリを目撃。餌が少ない冬でも、暖かい環境さえあれば生き延びる可能性があるという貴重な発見でした。
Q5. 「アリ酸の一撃で食事を中断」
A. 野外観察中、カマキリが中型アリを捕まえたものの、噛みつかれた瞬間にアリ酸を浴びてしまい、急いで獲物を放しました。その後も口をこすりつけるような動作を繰り返し、かなり嫌そうな様子。アリ酸の防御力は侮れません。
Q6. 「アリの群れに紛れて“通りすがり捕食”」
A. 地面を歩いていたカマキリが、アリの行列を横切る際に、ふと1匹だけ素早く捕らえました。他のアリはまるで気づかず、カマキリは何事もなかったように移動。この“つまみ食い”スタイルは意外と多く見られます。
Q7. 「アリを与えたら捕食せずに逃げたケース」
A. 飼育中のカマキリにクロオオアリを与えたところ、警戒して後ずさり。過去に痛い目に遭ったのかもしれません。カマキリにも個体差や学習があり、「危ない餌は避ける」という判断をすることがあるようです。
Q8. 「羽化直後はアリを無視」
A. 羽化して間もないカマキリは、体が柔らかく体力も低いためか、アリを見ても手を出さず。その日は全く捕食せず、数日後にようやく動きの遅い小虫を捕えました。羽化直後はアリより安全な獲物を優先する傾向があるようです。
Q9. 「アリを食べたら急に元気になった!?」
A. 夏場、弱っていたカマキリに小型アリを与えたところ、数分で食べ尽くし、その後急に動きが活発に。小さいながらもタンパク質源として効果的だった可能性があります。ただし長期的には他の餌も必要です。
Q10. 「アリを抱えたまま木に登るカマキリ」
A. 野外で観察したカマキリが、捕まえたアリを持ったまま木を登っていきました。途中で安全な場所に移動してからじっくり食べ始めたことから、捕食後の安全確保も行動の一部だと考えられます。

カマキリの生き方を勉強すると飼育もまた面白いですよ^^
まとめ
カマキリとアリの関係は、自然界では意外と身近なものですが、飼育下では注意が必要です。
- 幼虫期は小型のアリを捕食することがありますが、成虫は体格や獲物の効率を考えて選びます。
- 毒やアリ酸を持つ種類、大型で攻撃的なアリは、与えると怪我やストレスの原因になることも。
- 飼育では、種類を選び、少量から始め、他の餌とローテーションすることが安全なコツです。
自然界の捕食パターンを理解しつつ、飼育環境では安全第一で配慮する。これだけ守れば、カマキリの観察も餌やりも、安心して楽しめます。