カマキリを飼っていると、突然「こう!」と羽を広げてカマを振り上げるあのポーズに出くわすこと、ありますよね。あの瞬間、「え、怒ってる?」「私、何かした?」とドキッとする方も多いはず。
でも安心してください。威嚇はカマキリの自然な自己防衛であり、必ずしもあなたを嫌っているわけではありません。
ということで今回は、カマキリが威嚇する本当の理由から、飼育中に見せるシチュエーション別の意味、安全に観察するコツまで、飼い主さんが知っておくと安心できるポイントを徹底解説しますね^^
カマキリが威嚇する理由とは?

カマキリの威嚇は、ただの「びっくりポーズ」ではありません。
そこには、生き残るための戦略と、彼らなりの必死のメッセージが込められています。
- 外敵へのプレッシャー
- “枝に擬態”という静かな防御
- 限界時の最終防衛モード
1. 外敵へのプレッシャー
カマキリが羽をパッと広げ、鎌を高く掲げるあの迫力満点のポーズ。あれは「自分はこんなにデカくて強いんだぞ!」という全力のアピールです。
小さな体のカマキリにとって、力で勝てない相手を追い払うには“見た目勝負”が一番。羽の模様や色を目立たせることで、相手に「やばい、これは近寄らない方がいい」と思わせる作戦。
この戦術は、ライオンが牙をむき出しにするのと同じような心理戦。相手を傷つける前に「怖がらせて諦めさせる」のが目的です。つまり威嚇ポーズは、戦うためではなく、戦わずに勝つためのカマキリ流の平和的交渉術とも言えます。
道端で見かけたカマキリ👀
— leftyblue (@leftyblue11) August 5, 2025
指先で軽くつついたらめちゃ威嚇された😂 pic.twitter.com/4vEzgVfIrC
2. “枝に擬態”という静かな防御
カマキリは、いつも派手に羽を広げて威嚇しているわけではありません。外敵の気配を察知したとき、スッ…と動きを止め、まるで木の枝や葉っぱの一部になったかのように静止することがあります。
これが“擬態”と呼ばれる防御法で、「私はここにいませんよ〜」と相手の意識からフェードアウトする作戦。派手な威嚇が“ド派手な花火”だとしたら、この擬態は“忍者の煙玉”みたいなもの。目立たず、気配も消し、相手に存在を忘れさせる。まさに静かなる生き残り術です。
飼育していると、この擬態モードに入ったときの“空気感”の変化も面白く、知っていると見逃せない瞬間なんですよ。
か…カマキリ!!と思った次の瞬間、伸びた!そして、動かない🤣🤣🤣
— Tsuka-land🌴🦀🐛🦋🐞🐝🐸🌿🐿️🐇 (@LandPon) October 4, 2023
枝に擬態してる? pic.twitter.com/wI8CF5SzT8
3. 限界時の最終防衛モード
カマキリにも「もう無理!」という限界ラインがあります。逃げ場がなく、何度も触られたり、ケースの中でしつこく動かされたりすると、そのストレスは一気にMAXへ。
そしてついに——「ここから先は一歩も引かない!」と言わんばかりに、羽をバッと広げ、鎌を振り上げる最終防衛モードに突入します。この段階は、単なる警告ではなく“攻撃準備スイッチON”の合図。不用意に手を近づければ、カマでパシッと叩かれたり、飛びかかられる可能性もあります。
飼育者としては、「あ、今はガチで怒ってるな…」と察して、そっと距離をとるのが正解。信頼関係は、一歩引く勇気から育まれるんです。
カマキリめっちゃ怒る!!の巻 pic.twitter.com/4loAQNJdWd
— なかむらみつのり★JET (@JETNAKAMURA) August 31, 2019
こんな天敵↓に出くわすとめっちや凄い威嚇ポーズを取るでしょうね。

で、理由はわかっていても、実際に威嚇されるとやっぱりドキッとしますよね。ここからは、飼っているとよく出会う“威嚇ポーズあるある”を見ていきましょう。
飼育者目線で見る「威嚇ポーズ」あるある
以下の表に、飼育者がよく目にする代表的な威嚇ポーズを、印象と理由とあわせてざっくり整理しました。
行動 | 飼育者の印象 | 解説 |
---|---|---|
突然羽を広げる | ドキッとする | 不意を突き外敵の動きを止める防御反応 |
カマを顔横に掲げる | 「構えられた!」と緊張 | 体を大きく見せるサイズアップ演出 |
羽を広げず見張る | 警戒してるとわかる | 動かず様子をうかがい、必要に応じて威嚇に移行 |
こんなふうに見ていくと、威嚇ポーズって「怖がらせるため」だけじゃなく、カマキリなりの状況判断や作戦がギュッと詰まっているのがわかります。
飼育者としては驚かされることも多いけれど、その一瞬一瞬に彼らの知恵と生きる力が表れていて、つい見入ってしまうんですよね。

で、その威嚇ポーズ。いつでもどこでも出るわけではありません。実は「出やすい場面」というのがあって、それを知っておくと観察もぐっと面白く、安全にもつながりますよ。
威嚇が見られるよくあるシチュエーション
シチュエーション | 威嚇する理由 | 観察のポイント |
---|---|---|
手を近づけたとき | 捕まる恐怖 | 指の動きは大型捕食者の接近に見える |
ケースの掃除中 | 住処が揺れる危険信号 | 慣れていない個体は敏感に反応 |
エサを与える直前 | 興奮して攻撃準備 | 威嚇と間違いやすい |
野外で近距離撮影 | レンズや影を外敵と誤認 | カメラは天敵の顔サイズに近い |
他のカマキリと遭遇 | テリトリー争い | オス同士のバトル前にも発生 |
こうして見てみると、威嚇は「突然の気まぐれ」ではなく、ちゃんと理由のある行動だとわかります。
どの場面も共通しているのは、カマキリが「身の危険」や「縄張りの脅威」を感じているということ。
このサインを理解してあげれば、無駄に怖がらせず、より自然な姿を楽しむことができます。
飼育中に威嚇されたときの対処法
カマキリの威嚇は「これ以上近づかないで!」というサイン。これを無視するとストレスや寿命への悪影響につながります。
- 距離を取る
- 刺激しない
- 時間を与える
距離を取る:威嚇は警告の最終段階。近づけば攻撃される可能性あり。
カマキリの威嚇は「これ以上はダメ!」というはっきりしたサインです。無理に近づこうとすると、突然カマを振りかざして攻撃してくることも。カマキリの小さな体にとっては、自分の命を守るための真剣勝負。だからこそ、相手のペースを尊重して安全な距離を保つことが大切です。
刺激しない — 急な動きや接触は警戒心を強めるだけ。
触ったり急に動かしたりすると、カマキリは「危険が迫っている!」と判断して防御本能を最大限に働かせます。威嚇ポーズがより激しくなり、ストレスも溜まってしまうため、観察するときはできるだけ静かに、ゆっくり動くのがポイント。そっと見守る心が、カマキリとの良い関係を築く秘訣です。
時間を与える — 威嚇は長く続かない。落ち着くまでそっと待つ。
威嚇はカマキリの体力も精神力も消耗する行動なので、ずっと続くことはありません。焦らずに静かに時間を置けば、やがて警戒心が薄れていつもの落ち着いた姿に戻ります。その間、無理に触ったり刺激しないで、優しく見守ってあげましょう。これがカマキリとの信頼関係を深める第一歩になりますよ。
Q&A:威嚇の疑問によくある10問
カマキリの威嚇にまつわるよくあるギモンとその答え。こちらを集めました。気になるポイントをスッキリ解消していきましょう!
Q1. カマキリって何のために威嚇するの?
A. 一言でいうと「戦わずに勝つため」です。羽を広げたりカマを振り上げたりして、自分を大きく見せ、相手に「やめとこ…」と思わせるのが目的。命がけの戦闘より、相手を遠ざける方がリスクが低いんです。
Q2. 威嚇って毎回同じポーズなの?
A. 実はバリエーションがあります。フル装備で羽もカマも全開の“大見せポーズ”もあれば、羽は閉じたままジッと見据える“静かな圧”タイプも。相手や状況によって出し分けているんです。
Q3. 飼っているカマキリが私に威嚇するのは嫌われてる証拠?
A. 必ずしも嫌いなわけではなく、「今は近づかないで!」というサイン。空腹や脱皮前後、体調不良などで警戒心が高まっているだけかもしれません。人間の「今日は機嫌悪いから話しかけないで」に近い感じです。
Q4. 威嚇中に触っても大丈夫?
A. 正直おすすめしません。威嚇は“最後の警告”なので、その先は攻撃行動に移る可能性大。触ると余計なストレスを与えてしまい、信頼関係を作りにくくなります。
Q5. 威嚇ポーズを取らせると弱っちゃう?
A. はい、何度も繰り返すと体力を消耗します。威嚇は全身の筋肉を使うし、羽を広げたり鎌を振る動きはエネルギーを使うので、連発させるのはNGです。
Q6. 威嚇してくるのはオスとメスどっちが多い?
A. どちらも威嚇しますが、メスの方がしっかり構える傾向があります。特に産卵期のメスは攻撃的になりやすく、近づくものすべてに“やる気スイッチ”が入りがちです。
Q7. 野外で見かけたカマキリが威嚇してきたらどうすればいい?
A. 一歩下がって、動きを止めるのが正解。威嚇が解けたらそのまま立ち去るか、望遠で観察を続けましょう。追いかけると「逃げるか戦うか」の選択を迫ることになります。
Q8. 威嚇ポーズはいつ見られることが多い?
A. 秋の繁殖期は特に多く見られます。成虫になって体が完成し、敵から身を守る本能がピークになる時期だからです。昼間の暖かい時間帯に遭遇するとチャンス大。
Q9. 威嚇の最中にカマキリが飛んでくることはある?
A. あります。ただし“攻撃のため”ではなく、“逃げるためのジャンプ”として飛ぶことがほとんど。人から見たら迫力満点ですが、本人は必死なんです。
Q10. 威嚇ポーズを写真に撮るコツは?
A. 無理に近づかず、ズームやマクロレンズを活用すること。自然光が差し込む角度を意識すれば、羽の色や模様がくっきり浮かび上がり、迫力ある一枚が撮れます。さらに背景をシンプルにすると、威嚇ポーズの存在感がより際立ちますよ。
まとめ
カマキリの威嚇ポーズ、びっくりするけど決して無意味じゃないんです。あれは自分の身を守るための大切なサバイバル術。飼育しているときも、威嚇は「もう近づかないでね」という正直なサイン。無理に触ったり急に動くのはストレスになってしまうので、そっと見守るのがいちばんです。
飼育する時に、今一度カマキリの生態を確認しておくのもおすすめです↓